早稲田大学教授だった文芸評論家の渡部直己氏からハラスメントを受けたうえ、被害を相談した別の教授の対応も不適切だったなどとして、元大学院生の女性が渡部氏と早大に計660万円の賠償を求めた訴訟の判決が6日、東京地裁であった。中村心裁判長は、一部の発言を不法行為と認め、渡部氏と早大に計60万5千円の賠償を命じた。
原告は詩人として活動する深沢レナさん(32)。2016年に早大院に入り、指導教員だった渡部氏から繰り返しセクハラやパワハラを受けたと訴えていた。
判決は、渡部氏が、授業中に雨でぬれた上着を脱いだ深沢さんに「上着の下が裸だったらどうしようかと思った」と発言したほか、食事中に「卒業したら俺の女にしてやる」と述べたことが「社会通念上許される限度を超えている」と認めた。
深沢さんから相談を受けた別の主任格の男性教授が「セクハラとはもっとすごいやつだ」「(深沢さんにも)隙があった」などと述べた点についても、「大学教員として、学習環境が損なわれないよう配慮する義務に違反した」と指摘し、組織としての早大の責任を認めた。
深沢さんは繰り返し体を触られたり、電話で叱責(しっせき)されたりしたなどとも主張したが、判決は「限度を超えた行為だと認める証拠がない」などとして退けた。
地裁「調査する義務負う」
深沢さんは18年3月に退学…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル